<労働者派遣法>改正案を閣議決定 規制強化へ(毎日新聞)

 一昨年の派遣労働者の大量雇い止めなどを受けて見直しが進められてきた労働者派遣法の改正案が19日、閣議決定された。改正案は、登録型派遣を原則禁止にするなど規制強化の方向だが、厚生労働省案には規制緩和にもつながる事前面接の解禁が盛り込まれていたことから、与党内の社民、国民新党が強く反発、削除された。改正案は今国会での成立を目指す。

 改正案は、通訳など専門業務を除き、仕事がある期間に合わせ雇用契約を結ぶ登録型派遣、日雇い派遣など2カ月以下の雇用契約の派遣を原則禁止とした。また、製造業務派遣も原則禁止とし、例外として長期間の契約が見込まれる常用型派遣を許した。登録型、製造業務ともに、より安定した常用型派遣への誘導を目指している。

 新たに、禁止業務への派遣や偽装請負などの違法派遣があった場合、派遣先が派遣労働者に労働契約を申し込んでいたものと見なす「みなし雇用制度」を導入した。違法派遣があった場合、働いている会社で直接雇用されているとみなす。その他にも、派遣先の社員と派遣社員の均衡を考えた待遇とする規定も盛り込まれた。登録型派遣と製造業務への派遣禁止の施行は公布から3年以内とし、登録型の一部はさらに2年の猶予を設け、最大5年の施行猶予が可能になっている。

 一方、旧野党3党案にあった、派遣先の団体交渉応諾義務や性別による差別の禁止など派遣先責任の強化は盛り込まれなかった。改正案を巡っては、厚労省案に事前面接の解禁があったことから、派遣問題に取り組む労組や弁護士などから「雇用責任を負わない派遣先に実質的に採用行為を許すことで、派遣制度の根幹を揺るがす」と強い反発があり、社民党などが改正案に入れることに強く抵抗した。また、常用型派遣についても「雇用期間の規定がなく抜け穴になる」との指摘もあり、国会審議で論点になる可能性がある。

 長妻昭厚労相は「これですべて(派遣問題が解決する)とは言わないが、労使双方の合意で実効性を確保したかった。まず第一歩を踏み出し、施行後実態調査をして不足や問題点を勘案していく」と話した。【東海林智】

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